下線=和訳、赤字=解説
目次
導入
大きくて、古い木が、広島市近郊の道路のそばに立っています。
road[ロウド]=名詞、道、道路。
near[ニァ]=副詞、近く。前置詞、~の近くに。形容詞、近くの。
何年もの間、その木はたくさんのことを見てきました。
through[スルー]=前置詞、~を通って、通して。~を通り過ぎて。(手段・原因)~によって。
has seen=~を見てきた。現在完了形で、「完了・結果・経験・継続」の4つの意味のうち、ここでの用法は「継続」。主語が三人称単数だとhaveをhasに変える。see-saw-seen
ある夏の夜、その木は子守歌を聞きました。
lullaby[ララバイ]=名詞、子守歌
一人の母親が木の下で幼い娘に歌っていました。
彼女たちは幸せそうに見え、その歌は心地よく聞こえました。
look[ルク]=動詞、~に見える。見る。
sound[サウンドゥ]=動詞、~に聞こえる、~に思われる。
sweet[スウィート]=形容詞、甘い。心地よい、気持ちよい。優しい。声が美しい。
しかし、その木は悲しいことを思い出しました。
remember[リメンバァ]=動詞、~を思い出す。~を覚えている。
something[サムスィング]=代名詞、何か、あるもの、ある事。
anything sad=悲しいこと。
本来は「形容詞+名詞」(例:good coffee(冷たいコーヒー))の語順であるが、「anything/something/nothing」などの「~thing」系では「名詞+形容詞」という語順になるので注意。(例:something so cold(何かとても冷たいもの))
「そうだ。それはおよそ80年前だった。私はあの夜にも子守歌を聞きました。」
heard[ハード]=hearの過去形。
hear[ヒァ]=動詞、~を聞く、~が聞こえる。
原爆投下
その日の朝、大きな爆弾が広島市街地に落ちました。
fell[フェル]=fallの過去形
fall[フォール]=動詞、落ちる、落下する。降りる。陥る。
多くの人々が命を失い、そして他にも多くが負傷しました。
lost[ロースト]=loseの過去形。
lose[ルーズ]=動詞、~を失う、~をなくす。負ける。遅れる。
lives[ライヴズ]=lifeの複数形。 life[ライフ]=名詞、生命、命。生活。生き物。
others[アズァーズ]=otherの複数形、他のもの、他人。ここではother people(命を失った以外の他の人々)の意味。
injured[インヂャド]=形容詞、負傷した、ケガをした。
彼らは体中にやけどを負っていました。
burn[バーン]=名詞、やけど。焼け跡。日焼け。動詞、~を燃やす、焼く。燃える、焼ける。
all over~ = (全)~中。
over[オウヴァ]=前置詞、~中。~を超えて。~の上方に。(all)over the world=(全)世界中、という表現がよく使われる。
私はそうした人々を見たとき、とても悲しかった。
saw[ソー]=see[シー]の過去形。
それはとても暑い日でした。
私の近くで倒れた人たちもいました。
Some of A 動詞~ =~するAもいる。一部のAもいる。someは「いくつかの」という意味だか、全体のうち一部の「いくつか」と認識しておくとよい。
near[ニァ]=副詞、近く。前置詞、~の近くに。形容詞、近くの。
私は彼らに、「私の陰に来て休みなさい。すぐに良くなるでしょう。」と言いました。
rest[レスト]=動詞、休む、休息する。名詞、休み、休息。
shade[シェイドゥ]=名詞、陰(かげ)、日陰。陰影。
all right=大丈夫で、問題ない、申し分ない、結構で。
right[ライト]=形容詞、正しい。副詞、正しく、公正に。正確に。名詞、公正。権利。右。
soon[スーン]=副詞、すぐに、そのうち。
夜が来ました。
come(現在形)-came(過去形)-come(過去分詞)と変化する。
すでに死んだ人々もいました。
Some A 動詞~ =~するAもいる。一部のAもいる。someは「いくつかの」という意味だか、全体のうち一部の「いくつか」と認識しておくとよい。
already[オールレディ]=副詞、(肯定文で)すでに。
dead[デド]=形容詞、死んでいる。he is dead=彼は死んでいる。死んでいるという状態を表すのであればこのようにbe動詞とdeadを使います。「he is dying」だと「彼は死にかけている(死ぬ(die)という動作の進行形)」という意味になってしまいます。
私は弱々しい声を聞きました。
weak[ウイーク]=形容詞、弱い、力のない。得意でない、苦手な。
それは子守歌でした。
一人の若い女の子が幼い男の子に歌っていました。
「お母ちゃん!お母ちゃん!」と男の子は泣きました。
mommy[マミ]=名詞、お母ちゃん。幼い子供が母親のことを指して使う言葉。
「泣かないで」と女の子は言いました。
「お母ちゃんはここにいるよ。」
それから彼女は再び歌い始めました。
then[ズェン]=副詞、その時。それなら。それから。
began[ビギャン]=begin[ビギン]の過去形。
begin to do=~し始める。
again[アゲン]=副詞、また、再び。
彼女はとても弱っていましたが、そのかわいそうな幼い男の子の母親になろうとしました。
try to do=~しようとする、~しようと努める。「try -ing」だと「試しに~する」。
poor[プァ]=形容詞、かわいそうな、みすぼらしい。貧しい、貧乏な。
彼女は本当の母親のように男の子を腕の中に抱きかかえました。
held[ヘルド]=holdの過去形
hold[ホウルド]=動詞、~を抱く。~をつかむ、握る。~を持つ。~を保持する。
like[ライク]=前置詞、~のような、~のように。形容詞、同様な、類似の。
real[リーァル]=形容詞、本当の、本物の。現実の。名詞、現実。
二人の死
「お母ちゃん」と、男の子はまだ泣いていました。
still[スティル]=副詞、まだ。
「いい子にしてね」と、女の子は言いました。
be=動詞、~になる。~である。居る。
be a good boy=いい子になりなさい。動詞から始まっているので命令文。
「あなたは大丈夫。」
彼女はさらにしっかりと抱きしめ、再び歌い始めました。
tightly[タイトリ]=副詞、しっかりと、堅く(かたく)、きつく。
しばらくして、男の子は泣きやみ、静かに息を引き取りました。
after a while=しばらくして。少し間を置いて。
stop doing=~することをやめる。 「stop to do」=~するために立ち止まる。
quietly[クワイエトリ]=副詞、静かに、そっと、大人しく。落ち着いて。
die[ダイ]=動詞、死ぬ。 die-died-died。 dying[ダイング](進行形)
しかし、その幼い母親は歌うことをやめませんでした。
それは悲しい子守歌でした。
その女の子の声はますます弱くなりました。
weaker and weaker=ますます弱く。
比較級 and 比較級=ますます~。
朝が来て日が昇りましたが、女の子が再び動くことは決してありませんでした。
rise[ライズ]=動詞、昇る(のぼる)、上昇する、上がる。 rise-rose[ロウズ]-risen[リズン]
never[ネヴァ]=副詞、決して~ない、一度も~ない。
オバマのスピーチ
核兵器のない世界
without[ウィズァウト]=前置詞、~なしで、~なしの。
nuclear[ニュークリァ]=形容詞、核の、原子力の、原子核の。核兵器の。
weapon[ウエパン]=名詞、兵器、武器、凶器。
2016年5月27日、一人の男性が広島を訪れて、市の平和記念公園でスピーチをしました。
peace[ピース]=名詞、平和。平穏。
memorial[メモーリアル]=形容詞、記念の、追悼の。名詞、記念館、記念碑、記念物。記念行事。
彼は、「71年前、明るく、雲のない朝に、空から死が降りて世界が変わりました。」と始めました。
bright[ブライト]=形容詞、明るい、輝く。
cloudless[クラウドレス]=形容詞、雲のない、晴れ渡った。
death[デス]=名詞、死、死亡。
sky[スカイ]=名詞、空。
その男性の名前はバラク・オバマです。
彼は広島を訪れた最初の現職アメリカ大統領となりました。
sitting[シティング]=形容詞、現職の。名詞、着席。
president[プレジデント]=名詞、大統領。社長。総裁。座長。
それは、その市や日本、そして世界にとって大きな意味がありました。
meant[メント]=meanの過去形
mean[ミーン]=動詞、~を意味する、~の意味を表す。 mean A to B=BにAの意味をもつ。
a lot=副詞、大いに、ずいぶん、たくさん。 a lot of~=たくさんの~
そのスピーチの前、オバマはその場所で資料館を訪れました。
museum[ミュージーァム]=名詞、博物館、美術館、記念館。
そこの記名帳に、彼はこれらの言葉を残しました:
left[レフト]=leaveの過去形
leave[リーヴ]=動詞、~を残す。~を置き去りにする。~を去る。~を出発する。~のままにしておく。
私たちは戦争の激しい苦痛を経験してきました。
have known=現在完了の経験の用法で使われている。「I’ve」=「I have」。know[ノウ]-knew[ニュー]-known[ノウン]
agony[アガニ]=形容詞、激しい苦痛、苦悩。苦しみ。
war[ウォーァ]=名詞、戦争。争い、戦い。
今こそともに、平和を広める勇気を見出し、核兵器のない世界を追い求めましょう。
let+O+動詞の原形=Oに~させる。 let[レトゥ]
courage[カーリッヂ]=名詞、勇気。
spread[スプレド]=動詞、~を広げる。~を伸ばす。広がる。伸びる。
pursue[パスー]=動詞、~を追う、追い求める。追跡する。
彼はそこに2羽の折り鶴も残しました。
crane[クレイン]=名詞、鶴(ツル)。クレーン。
それらはオバマ自身によって折られたものです。
fold[フォウルド]=動詞、~を折る、折りたたむ。~を包む。
オバマは次のように言ってスピーチを終えました。
「世界はここで永遠に変わってしまいました。
forever[フォレヴァ]=副詞、永久に、永遠に。絶えず、常に。
しかし今日、この市の子どもたちは平和に1日を過ごすでしょう。
through[スルー]=前置詞、~を通って、通して。~を通り過ぎて。(手段・原因)~によって。
go through~ = ~を経験する。~を通り抜ける。通過する。
それはなんて貴重なことなのでしょうか!
What+名詞(句)+S+V!=感嘆文、Sはなんて~なのでしょう! S=主語、V=動詞。 「How+形容詞(もしくは副詞)+S+V!」も感嘆文。
precious[プレシャス]=形容詞、貴重な、高価な。大切な。
それは守る価値があり、そしてそれからすべての子どもたちに広げる価値のあるものです。」
worth[ワース]=名詞、価値
worth -ing = ~する価値がある。
extend[イクステンド]=動詞、~を広げる、拡大する。~を延長する。広がる。延びる。
every[エヴリ]=形容詞、どの~も、すべての。 everyは「すべての」と訳せるが、child(単数形)となるのに注意しよう。「一人一人」や「各々(おのおの)」といった意味なので、everyが付くものは単数扱いとなる。everydayもeverydaysとは言わないですしね。
ちなみにallを使うのであれば、all childrenとなり、複数形となり、複数扱いとなります。